大腸ポリープ・早期大腸癌に対する内視鏡治療の実際~早期発見・早期治療を目指して~

講師:おおたかの森病院 消化器・肝臓内科 医長 安達 哲史 医師

ポリープとは?

粘膜由来の隆起しているものの総称で、たくさんの種類がありますが、その中で切除しなければいけないポリープは、腺種(アデノーマ)です。 そして、内視鏡的に切除が必要なポリープかどうかは、ポリープの表面の構造を見て判断します。 潰瘍を作っている進行癌や粘膜下層の深い部位にまで進行しているものは、内視鏡的切除は不可能となります。



ポリープから癌化するメカニズム

胃のポリープは、ほとんどが癌化しませんが、大腸のポリープのほとんどが癌化する可能性があることが分かっています。 大腸にできた腺種が癌化するには、複数の遺伝子変異が関与します。遺伝子変異は、積み重なっていくため、時間と ともに発癌リスクが増加していきます。 大きさに関わらず、腺腫はいずれ癌化する可能性がありますが、大きい方が、より癌化する可能性が高いです。 (腺腫が癌化する確率=径5㎜以下で0.46%、6~9㎜で3.3%、10㎜以上で28.2%)

ポリープと癌の診断

粘膜の表面を観察し、診断します。

癌の深達度についての診断は、切除した後 顕微鏡で確認する必要があります(病理検査)。

早期大腸癌に対する内視鏡的切除の適応は?

粘膜内癌と粘膜下層に浸潤した癌の一部です。外科的手術との境目は、リンパ節転移があるか否かになります。 粘膜下層に浸潤している癌のリンパ節転移の頻度は、20%弱です。

大腸ポリープの切除法

  • 5㎜以下→コールドポリペクトミー
    通電せずに切除する方法。
  • 5~20㎜→内視鏡的粘膜切除術(EMR)
    スネアという輪っかをポリープに引っ掛けて、高周波の電流で焼き切る方法。
  • 20㎜~50㎜→内視鏡的粘膜下層剥離術
    ESDと呼ばれ、高周波メスで粘膜を切開し、粘膜下層を剥離することで内視鏡的に癌を切除する方法です。 2006年に胃癌、2008年に食道癌、2011年に大腸癌に対して保険適用となっています。

早期大腸癌に対する内視鏡的粘膜下層剥離術




→リンパ管や血管への転移はなく、粘膜内の癌で取り残しがないため、治癒切除となります。


→リンパ管に癌が入り込んでいるため、追加でリンパ節を含んだ腹腔鏡下手術が必要です。

腺種・癌を切除したら次の検査はいつ?

大腸内視鏡検査は3年間を保証する検査ですが、リスクは一律ではありませんので主治医とよく相談して次回の検査日程を決めることをお勧めします。

最後に・・・

内視鏡で切除できる段階で病気を発見しましょう。 治療方法、治療後の検査間隔ともに、ご自身の納得できるものを選択してください。 ご心配やご不安があれば外来にお越しください。