足の血管の病気 閉塞性動脈硬化症(ASO)について ~要注意!歩くと足が痛くなりませんか?~

講師:おおたかの森病院 循環器内科 科長 櫻井 将之 医師

動脈硬化

血管の病気の原因といわれる動脈硬化ですが、
①高血圧 ② 高脂血症 ③ タバコが3大危険因子であると分かっています。 そのため、動脈硬化の予防としては、食生活の偏りによって引き起こされる肥満に気をつけることや、血液がドロドロになる恐れのある運動不足に注意すること、血圧・コレステロールの値やストレスに留意することなどが挙げられます。



動脈硬化の検査

  1. 危険因子の有無を調べる検査
    ▪血圧 ▪血液検査 ▪喫煙歴 ▪身長、体重測定
  2. 程度を知る検査
    ▪ABI検査:両手両足の血圧を同時に計測し、その比の値が0.9を下回ると足の血管が狭くなっている疑いがあります。(外来にて10分程度で可能)
    ▪頸動脈エコー:頸動脈に当てて『内膜中膜複合体肥厚(IMT)を計測することで全身の動脈硬化を予測することが可能です。

その他、CTやMRAでの検査を行うこともあり、結果によってはカテーテル検査となりますが、全て外来で受けることができます。

閉塞性動脈硬化症とは

動脈硬化により足や腕の動脈が狭くなったり詰まったりすることで血流が悪くなり、様々な症状を引き起こす血管疾患です。 主な症状として『間欠性跛行(かんけつせいはこう)』があります。特徴は、歩くと足が痛くなり、休むと回復するというもので、一見軽傷に思われがちですが、 10年後の生存率が50%と予後不良な病気です。主にふくらはぎの筋肉の痛みやだるさとして現れ、閉塞性動脈硬化症患者の3分の1に生じるといわれている症状です。

間欠性跛行をそのままにしておくと・・・

そして、『間欠性跛行』が進行すると、安静にしている時にも痛みが出てくるようになり、潰瘍や壊疽を引き起こす末期症状、重症下肢虚血と診断されます。 発症後1年以内の死亡率は20%と大変怖い病気です。



また、心疾患患者の閉塞性動脈硬化症の有病率は、24.6%と1/3近くにも上るといわれています。 逆を言えば、足の血管が詰まっていると心臓の血管も詰まっている可能性があるということです。 そのため、上表のように閉塞性動脈硬化症の5年間の死亡率は、大腸がんなどよりも高いのです! 閉塞性動脈硬化症の検査も動脈硬化の検査と、ほぼ同じ内容で、外来で受けることができます。症状があったら早めに検査することをお勧めします。
【危険因子】糖尿病→4倍、喫煙→3倍 脂質異常・年齢が65歳以上→2倍

閉塞性動脈硬化症の治療

  1. 薬物療法+運動療法
    抗凝固剤や抗血小板剤を服用することで血管の狭窄の進行を抑制します。併せて運動することで血行をよくしていきます。
  2. バイパス術(外科手術)
    人工血管を用いて狭窄部分を迂回した、新たな血流路をつくります。
  3. カテーテル治療
    ガイドワイヤーを使用し、バルーンやステントを用いて血管内治療を行います。

まとめ

  • 動脈硬化の予防には、危険因子(高血圧・脂質異常症・タバコ・糖尿病・肥満など)の管理が大切です。
  • 動脈硬化症疾患(脳・心臓・足・大血管など)は、お互いに合併し命を脅かします。
  • 足の動脈硬化症である閉塞性動脈硬化症は、軽症であっても予後が悪いので注意が必要です。
  • 早期発見・早期治療が大切です!