加齢とともに増加する前立腺肥大症・前立腺がん

講師:おおたかの森病院 泌尿器科 医長 子安 洋輝 医師

前立腺の働きと特徴

前立腺の大きさは成人男性で15~20g程度(クルミ大)で、膀胱とともに排尿を調整しています。 また、精液の一部となる前立腺液を分泌し、精子の運動や保護に関与しています。 精嚢から出た精子の通り道であり、男性ホルモンに依存する特殊な臓器です。


前立腺肥大症と前立腺がんの違い


前立腺疾患の症状

尿勢低下、尿線途絶、残尿感、尿意切迫感、尿失禁、頻尿、夜間頻尿(50歳以上は夜間排尿回数2回以上)、排尿困難、腹圧排尿、排尿痛、血尿などがあります。

前立腺肥大症とは?

前立腺の良性過形成による尿路機能障害を呈する疾患で発生頻度は加齢とともに上昇します。 危険因子として、加齢・肥満・高血糖・脂質異常症などがあります。

診察から治療の流れ


外科的治療にはTURP(経尿道的前立腺切除術)などがあり、前立腺肥大による閉塞を解除し、尿の勢いを良くします。

前立腺がんとは?

前立腺にできる悪性腫瘍で肥大症と同様、罹患数は加齢とともに増加します。 初期には無症状のことが多くゆっくり進行するタイプが多いのが特徴です。 家族歴等の先天的な要因と生活習慣等の後天的な要因がありますが、いずれも結論が出ておらず、高齢化を背景に日本では増加している癌の1つです。

診断までの流れ

◆PSA検査
血液検査で測定する前立腺の腫瘍マーカーです。がん細胞は正常細胞に比べてPSA(前立腺特異抗原)をたくさん生産し、 それらは血液中に流れ出すため、高値になることから、スクリーニングテストとして有用な検査といわれています。

治療方法

前立腺がんは、進行度や悪性度によって、治療法が変わります。 前立腺がんは比較的、放射線の感受がよく手術と同等の評価といわれていますが、最近ではダヴィンチなどロボットを使用した 低侵襲の手術も増えてきています。その他、ホルモン療法を併用することもあります。

前立腺がんの早期発見・早期治療には、健診や人間ドックでの定期的なPSA測定が重要です! 排尿のご相談なども泌尿器科へお気軽にどうぞ。