心臓血管外科

心臓血管外科では、循環器内科同様に、常にホットラインを携帯しておりますので、近隣だけでなく、 他県の医療機関からの問い合わせや、 手術の依頼にも迅速な応対を致します。
緊急時には、病院所有の救急車あるいは県内外を問わず、遠方からの依頼に対してはドクターヘリ搬入で迅速に対応致します。

心臓血管外科学会認定修練施設
胸部ステントグラフト実施施設
腹部ステントグラフト実施施設


心臓血管外科開設から4年経過

当院で心臓血管外科手術が始まり、4年が経過致しました。手術件数を中心に診療の概略をご報告申し上げます。

<手術件数>詳しくはコチラ

  1. 手術件数は年々増加、2018年の心臓・胸部大動脈は123件(ステント19件含む)、腹部大動脈が59件(ステント32件含む)。
  2. 例年通り、緊急手術は総手術件数の半数で、大動脈疾患がほとんどを占め、2018年のドクターヘリによる搬入6件。

<ステントグラフト留置術>詳しくはコチラ
2016年6月から始めて2年半が経過し、需要は高まる一方です。高齢者あるいは全身状態がすこぶる不良といった、 胸や腹を開く手術に耐えられそうにないと考えられる方にも治療が可能となり大きな福音となっております。 2018年は、胸部19件、腹部32件行い、入院期間は約1週間で皆さん元気に退院なさり、瘤破裂の恐怖に怯えることのない生活を送っていらっしゃいます。

<強みは大動脈の診療>
当科の特徴は、『急性A型解離、大動脈瘤破裂という大動脈の緊急手術(胸部53件、腹部17件)が多い』ということです。 (大動脈緊急手術件数、2015年の全国平均は年間13件) 特に急性解離の依頼が目立ち、急性A型解離46件、急性B型解離(原則として手術を必要としない解離)の救急搬送は48例でした。 大動脈救急疾患対応の需要が、高いことは異論のないところでしょう。

<術後感染の少なさ>
緊急手術は心停止後や低血圧の状態など全身状態の非常に悪い条件で行われることが多く、手術自体は終える事ができても術後回復に時間を要し、 体力消耗が著しく菌に侵されやすい状態が長く続きます。術後感染には主なものとして、肺炎、創部感染、血液感染の3つが挙げられ、 これらはどれも生命を脅かすものと言えます。しかしながら、私どもでは『感染対策委員会』が十二分に機能しており、関係者に感染の恐ろしさを啓蒙し、 その予防法を常に追求し、リハビリ療法士や看護師、その他、一患者に直接関わる者全てが、具体的に実践する事により、 術後感染発生を極限まで減らす事が可能となっております。これが好成績につながっており、当院のもう一つの特徴として挙げられましょう。 「手術は終わったけど、術後感染で亡くした・・・」というとても残念な事態はどの施設においても一定の割合で発生するものですが、 私どもにおきましては非常に稀な出来事でございます。

<当科の役割>
私どもの役割として、

  1. 緊急時の対応を遅滞なく行う
  2. 大動脈瘤の「早期発見、早期治療」によって大動脈瘤破裂を未然に防ぐ
  3. 冠動脈疾患や弁膜症などの一般心臓疾患においても、救急時の緊急対応および待機的な状態で適切な時期に最適な治療を行う

の3点が重要なこととして挙げられます。

<心臓血管チーム医療>
心臓や血管疾患を前にして、その治療方針や治療過程における合併症対策など、私どもは循環器内科医、 麻酔科医、看護師、臨床工学技士、理学療法士、放射線技師、管理栄養士とチームを組み、全人的に『何が最適か?何が必要か?』あるいは 『何が不適切か?何が不要か?』を議論して判断しながら診療を進めております。

<医療講演>
私どもは医療講演やコラムで、心臓血管系のトラブルについてわかりやすくお話し差し上げております。一例として、 大動脈瘤の早期発見のためにCT(断層撮影)を撮りましょう、これが大切な方の命を守るための有効で簡便な方法です、 というようなことを盛んに呼びかけております。講演のご希望がございましたら気軽にお声がけ下さい。

<最後に>
大動脈瘤があると言われたとか、手術が必要だと言われたとか、大動脈瘤のみならず、その他の心臓全般の病気や手術についても心配なことについて 相談や質問を気軽にお寄せ下さいますようお願い申し上げます。何らかの役に立てば幸いに存じます。

ステントグラフト留置術

■大動脈瘤とは

大動脈に、動脈硬化や大動脈解離後などで弱くなった部分があると“瘤(こぶ)”ができます。血管の壁が薄くなって大きく膨らんでくる病気が 動脈瘤(どうみゃくりゅう)です。動脈瘤ができてもほとんどが無症状ですが、破裂すると激烈な痛みと大出血による意識障害などをひきおこし、死に至る恐ろしい病気です。

■大動脈瘤のステントグラフト治療について

大動脈瘤の治療法として一般的に知られているのは、大きく切開して動脈瘤を確認・切除し、その代わりに人工血管で置き換える“外科手術”です。 しかし今まで年齢や既往、体の状態などから外科手術が困難な場合があり、“残念ながら治療が難しい“と言われてきた患者様も大勢おられました。 しかし近年、血管にカテーテルを挿入して人工血管を患部に留置することで、大動脈破裂を予防する”ステントグラフト留置術”ができるようになりました。 破裂が懸念される瘤部分はステントグラフトにより圧力がかからなくなるため、破裂の危険性が極めて低くなり、さらに次第に小さくなるとこが期待できます。 ステントグラフトによる治療は“より小さな皮膚切開”、“低侵襲な治療を短時間”で行えますので、身体にかかる負担が少ないのが特徴です。

■ステントグラフト留置術

当院では、より低侵襲な胸部大動脈瘤治療を目指し、2016年6月からステントグラフト留置術を開始いたしました。 小切開で手術を行うことが可能であり、手術時間は2-3時間程度で術後の回復も早く、約1週間での退院が可能です。 呼吸器疾患、脳梗塞、心疾患など、手術を受けるには危険が高いという理由で、従来の外科手術を受けることができない方に対しても治療が可能となり、 多くの方が破裂の恐怖から解放されております。 さらに真性胸部腹部大動脈瘤だけでなく、大動脈解離の亀裂閉鎖、また難易度の高い胸腹部大動脈瘤に対してもステントグラフト留置術を行っております。 このように大動脈瘤の治療では、昨今、マスコミ等の影響が大きく、“とにかくステント希望です”とおっしゃる方が非常に多くなっておりますが、 すべての患者様に対してステントグラフト治療が可能であるというわけではなく、大動脈瘤の形態や場所によりステントグラフト治療に適さないことがあります。 瘤のある部位や形態、また身体状態などを考慮した上で“外科手術”と“ステントグラフト留置術”の利点と問題点についてチームで十分に検討し、 自分の家族ならばどうするかを考えの中心に据え、治療法を選択しております。 ”外科手術””ステントグラフト留置術“は、大動脈治療という飛行機の ”両翼”なのです。

■ステントグラフト治療に有効な新世代血管撮影機器の導入

2019年2月には、新世代血管造影装置を備えたカテーテル治療室2室(2室目は2019年5月稼働予定)を導入し、最新のステントグラフト手術でその威力を発揮します。


2017年、胸部大動脈瘤/胸腹部大動脈瘤:31例、腹部大動脈瘤:23症例にステントグラフト治療を行いました。 胸部、腹部でも多種類のステントグラフトを、瘤の形状/位置を考慮し使い分けております。皆さん無事に退院されました。
以下に、胸部大動脈/腹部大動脈治療の画像を示します。

■腹部ステントグラフト留置術(TEVAR)

弓部大動脈瘤に対する鎖骨下動脈バイパスを併用したステントグラフト治療(TEVAR)前後のCT画像

留置後


留置前


■胸部ステントグラフト留置術(EVAR)

留置前


留置後


■オーダーメイド・ステント

当院では、大動脈の「弓部」という部分に置くステントは、その方の血管走行をCTで細かく構築された画像を元に、正に「手作り」しております。 そうです!オーダーメイド・スーツと同じ考え方です。 血管の走行や大切な枝と枝との間隔、角度、大きさなど百人百様なので、 画一化された市販のステントでは不具合が生じるのは当然です。 スーツなら肩が多少きつくても「我慢して着ようか」で済ますことも可能ですが、 大動脈瘤にはそういう訳にはいきません。ピタっと合わなければ、血液が「漏れる」ことになり、瘤に血液が入り込んでいるまま、 つまりは瘤をつぶしたことにならないのです。 これが弓部およびその近傍の瘤に関しては、患者一人一人に合ったオーダーメイド・ステントでなければならないという理由なのです。 当院は、この点を大切に考え、一人一人の画像解析を綿密に行って臨んでおります。また従来の胸部大動脈瘤用ステントグラフトならびに、 腹部大動脈瘤用のステントグラフトでは治療できなかった部分の胸腹部動脈瘤(胸部と腹部に跨っって膨らんだ瘤)に対しても治療できるようになりました。 胸腹部大動脈には腎臓や腸などへの重要な血管が分岐しており、その分枝が動脈瘤と絡んでいる場合は従来のステントグラフト治療は行うことが出来ませんでした。 最近になり予めそのような患者の動脈瘤の形態と重要臓器の分枝血管の状況を把握してその形に合わせてオーダーメードで分枝型ステントグラフトを作成することにより、 従来はステントグラフトが行えなかった患者さんにも安全に行えるようになりました。 このような胸腹部動脈瘤は胸部から腹部まで、まさに“袈裟斬り”の如くに、大きく切り開いて人工血管置換術を施行するしか方法はなく、 そのような大きな手術を耐えることが難しいと予測されていた高齢者や全身状態の悪い方にも”治療の扉が開かれる”可能性がある画期的な手術方式です。

オーダーメイド・ステントによるステントグラフト治療後のCT画像

  

弓部大動脈瘤に対するハンドメイドステントグラフト治療(TEVAR)症例



  

胸部大動脈瘤に対するハンドメイドステントグラフト治療(TEVAR)症例

<第一人者が製作、執刀>

オーダーメイド・ステントは、ステント界の第一人者である東(あずま)、横井の2名が製作、執刀を行います。当初より市販のステントの不備な点に不信、 不満を抱き、「血管は一人一人違うもの」という自明の事実に向き合い、日々改良を加えながら今日の形態に辿りついたのです。 勿論、より良いものを求め、今も進化の途中ではございますが…。

<ステントや開胸、開腹手術が不可能と言われた方へ>

胸部は開胸手術に比べ、ステント治療の比率が低く、開胸手術が治療の中心に置かれがちなのが現状です。 一般的には「開胸手術が困難な方にステントが薦められる」のですが、当院では「その方に最適な治療はどちらか?」を重視して選択をしております。 胸や腹に大動脈瘤があり治療が必要だけれど、「ステントも手術も不可能」と言われたが、何とかならないかと思っている。 「手術はできるがステントはできない」と言われ、ステントのことがどうにも諦められない。 という方は、一度ご連絡下さい。再度調べた上で最善策を考えましょう。いい策が得られるかもしれません。

心臓血管外科に関するお問い合わせ

otaka.cvs@gmail.com
こちらのメールアドレスは、不具合により当科で受信ができなくなっております。 ご迷惑をお掛けいたしますが、当科へのお問合せを希望される方は、shinge@otakanomori-hp.com まで、題名に「心臓血管外科への問い合わせ」とご明記の上、本文にお名前、ご連絡先、内容(できる限り詳細にご記載下さい)をご記載下さい。なお、至急回答が必要なお問合せは 電話にてお問合せ下さい。
代表番号 04-7141-1117

診療・治療実績


末梢血管を覗く手術件数も年々増加、約半数は緊急手術です。






例年通り、大動脈疾患がほとんどを占めています。ドクターヘリ搬送は2018年は6件で千葉県東部、他県からも搬送されます。






大動脈症例の半数は緊急手症例でその内の3分の2を急性大動脈解離が占めています。






大動脈疾患は定例手術はステントグラフト手術が3分の2を占める様になって来ています。 ステントグラフト手術の手術手技、またグラフト製品の進化に伴い、より適応が拡がっています。



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スタッフ紹介

市原 哲也(Ichihara Tetsuya)

職位:心臓血管外科部長

~プロフィール~

学歴: 愛媛大学 S60年卒
専門: 大血管、開心術 等、心臓外科全般
市原医師インタビュー「クリンタル」

~略歴~
東京女子医科大学心臓血管外科、湘南鎌倉総合病院、千葉西総合病院、イムス葛飾ハートセンター


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井上 武彦(Inoue Takehiko)


~プロフィール~

学歴: 奈良県立医科大学 H5年卒
資格: 日本外科学会専門医、日本心臓血管外科学会専門医

~略歴~
亀田総合病院、湘南鎌倉総合病院、庄内余目病院、茅ケ崎徳洲会病院、大和徳洲会病院、徳田病院、 大隈鹿屋病院、葉山ハートセンター、千葉西総合病院、イムス葛飾ハートセンター、大森赤十字病院


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増山 慎二(Masuyama Shinji)


~プロフィール~

学歴: 宮崎医科大学 H9年卒
資格: 日本外科学会専門医、日本心臓血管外科学会専門医
アジア胸部心臓血管外科学会 国際会員(ASCVTS)
ヨーロッパ胸部心臓外科学会 国際会員(EACTS)
日本心臓血管外科学会 国際会員(JSCVS)

~略歴~
飯塚病院、京都大学医学部附属病院、松江赤十字病院、倉敷中央病院、Chieti大学附属病院(伊)、 三菱京都病院、武田病院、川崎大動脈センター、高の原中央病院かんさんハートセンター


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東 隆(Azuma Takashi)

学歴: 浜松医科大学 H10年卒
所属: 東京女子医科大学
心臓病センター 心臓血管外科
資格: 日本外科学会専門医
日本心臓血管外科学会専門医
日本循環器学会専門医
胸部・腹部ステントグラフト指導医

~経歴~
東京医大低侵襲治療センター、チューリッヒ医科大学でステントグラフト治療を行い、 H20年に胸部ステントグラフトのプロクターとして帰国後、全国で年間200例以上の治療に携わる。 現在は心臓血管外科血管内治療チームのチーフ及び、TAVIハートチーム外科代表。


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横井 良彦(Yokoi Yoshihiko)

学歴: 東京医科大学 H3年卒
所属: 東京女子医科大学
心臓病センター 心臓血管外科
新潟大学非常勤講師兼任

~経歴~
H8年より東京医科大学にてステントグラフト研究に携わり唯一の国産ステントグラフトであるNajutaの開発を主導するとともに、 全国100カ所以上の基幹病院にて手技指導を行ってきた。H24年より東京女子医大に本拠地を移し、完全オーダーメイドのステントグラフトの完成を目指して、 臨床、研究開発を行っている。


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お問い合わせ

私ども心臓血管外科では、冠動脈バイパス手術や弁膜症手術、さらに不整脈手術や成人先天性疾患手術まで、幅広く行っております。 また大動脈疾患に関しては、大動脈基部から胸部大動脈、胸腹部大動脈、腹部大動脈、末梢動脈に至るまで積極的に外科的治療を行っております。

大動脈瘤があると言われたとか、手術が必要だと言われたとか、その他、心配なことがございましたら、お気軽にお問い合わせくださいますようお願い申し上げます。 大動脈瘤のみならず、その他の心臓全般の病気や手術についてもご相談ください。

otaka.cvs@gmail.com
こちらのメールアドレスは、不具合により当科で受信ができなくなっております。 ご迷惑をお掛けいたしますが、当科へのお問合せを希望される方は、shinge@otakanomori-hp.com まで、題名に「心臓血管外科への問い合わせ」とご明記の上、本文にお名前、ご連絡先、内容(できる限り詳細にご記載下さい)をご記載下さい。なお、至急回答が必要なお問合せは 電話にてお問合せ下さい。
代表番号 04-7141-1117


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