心臓血管外科

心臓血管外科では、循環器内科同様に、常にホットラインを携帯しておりますので、近隣だけでなく、 他県の医療機関からの問い合わせや、手術の依頼にも迅速な応対しております。
緊急時には、病院所有の救急車での送迎や、ドクターヘリによる搬送にも対応致します。

心臓血管外科学会認定修練施設
胸部ステントグラフト実施施設
腹部ステントグラフト実施施設


私ども心臓血管外科では、冠動脈バイパス手術や弁膜症手術、さらに不整脈手術や成人先天性疾患手術まで、幅広く行っております。 また大動脈疾患に関しては、大動脈基部から胸部大動脈、胸腹部大動脈、腹部大動脈、末梢動脈に至るまで積極的に外科的治療を行っております。

大動脈瘤があると言われたとか、手術が必要だと言われたとか、その他、心配なことがございましたら、お気軽にお問い合わせくださいますようお願い申し上げます。 大動脈瘤のみならず、その他の心臓全般の病気や手術についてもご相談ください。

心臓血管外科に関するお問い合わせ
otaka.cvs@gmail.com

心臓血管外科 開設から3年

心臓血管外科を開設し、約3年が経過しました。手術件数を中心に診療の概略をご報告申し上げます。

<手術件数>詳しくはコチラ

  1. 総手術件数(末梢その他を含む)は年々増加、2015年(1年目)が131件、2016年(2年目)が146件、2017年(3年目)が188件。
  2. 2017年の心臓・胸部大動脈は131件(ステント31件含む)、腹部大動脈が44件(ステント23件含む)。
  3. 例年通り、緊急手術は総手術件数の半数で、大動脈疾患がほとんどを占め、2017年のドクターヘリ搬送6件。

<ステントグラフト留置術>詳しくはコチラ
2016年6月から始めて1年半が経過致しました。高齢者あるいは全身状態がすこぶる不良といった、 胸や腹を開く手術に耐えられそうにない方にも治療が可能となり大きな福音となっております。 2017年は、胸部31件、腹部23件行い、入院期間は8から12日間で皆さん元気に退院なさいました。

<強みは大動脈の診療>
当科の特徴は、『急性A型解離、大動脈瘤破裂という大動脈の緊急手術(胸部48件、腹部11件)が多い』ということです。 急性A型解離42件、急性B型解離(原則として手術を必要としない解離)の救急搬送は33例、特に大動脈救急疾患に対する需要が高いことは異論のないところでしょう。

<術後感染>
緊急手術は心停止後や低血圧の状態など全身状態の非常に悪い条件下で行われることが多く、当然術後も回復に時間を要し、 菌に侵されやすい状態が長く続きます。しかしながら、当院では『感染対策委員会』が中心となり、感染の恐ろしさを啓蒙し、 その予防法を常に追求することにより、術後感染発生が非常に少ないことが特徴の一つに挙げられます。 特に、「縦隔炎」という、胸の創部を含めて、心臓や人工血管が菌に侵されるという非常に重篤な合併症がございます。 これが発生すると、創部やその中身まで菌に侵されて膿が充満して溢れ出し、生命の危険に晒されますので、 手術室で全身麻酔下にきれいにする(「郭清」と言います)手術が必要となるのですが、これが皆無なのです。 もう一つ重篤な合併症として「術後肺炎」という、術後で体力消耗が激しく臥床時間の長い時期に、痰が出しにくい、 むせ易いこと等が原因で生じるものがございます。これに対しリハビを担当する療法士や看護師が、術後はもちろん、 術前からの積極的に働きかける事で、この合併症発生はほぼゼロに抑えられております。 「手術は終わったけど、術後感染で亡くした・・・」というとても残念な事態はどの施設においても一定の割合で発生するものですが、 私どもにおきましては非常に稀な出来事でございます。

<当科の役割>
私どもの役割として、

  1. 緊急時の対応を遅滞なく行う
  2. 大動脈瘤の「早期発見、早期治療」によって大動脈瘤破裂を未然に防ぐ
  3. 冠動脈疾患や弁膜症などの一般心臓疾患においても、救急時の緊急対応および待機的な状態で適切な時期に最適な治療を行う

の3点が重要なこととして挙げられます。

<心臓血管チーム医療>
心臓や血管疾患を前にして、その治療方針や治療過程における合併症対策など、私どもは循環器内科医、 麻酔科医、看護師、臨床工学技士、理学療法士、放射線技師、管理栄養士とチームを組み、全人的に『何が最適か?何が必要か?』あるいは 『何が不適切か?何が不要か?』を議論して判断しながら診療を進めております。

<医療講演>
私どもは医療講演やコラムで、心臓血管系のトラブルについてわかりやすくお話し差し上げております。一例として、 大動脈瘤の早期発見のためにCT(断層撮影)を撮りましょう、これが大切な方の命を守るための有効で簡便な方法です、 というようなことを盛んに呼びかけております。講演のご希望がございましたら気軽にお声がけ下さい。

<最後に>
大動脈瘤があると言われたとか、手術が必要だと言われたとか、大動脈瘤のみならず、その他の心臓全般の病気や手術についても心配なことについて 相談や質問を気軽にお寄せ下さいますようお願い申し上げます。何らかの役に立てば幸いに存じます。

ステントグラフト留置術

大動脈に、動脈硬化や大動脈解離後などで弱くなった部分があると“瘤(こぶ)”ができます。血管の壁が薄くなって大きく膨らんでくる病気が 動脈瘤(どうみゃくりゅう)です。動脈瘤ができてもほとんどが無症状ですが、破裂すると激烈な痛みと大出血による意識障害などをひきおこし、死に至る恐ろしい病気です。

大動脈瘤の治療法として一般的に知られているのは、大きく切開して動脈瘤を確認・切除し、その代わりに人工血管で置き換える“外科手術”です。 しかし今まで年齢や既往、体の状態などから外科手術が困難な場合があり、“残念ながら治療が難しい“と言われてきた患者様も大勢おられました。 しかし近年、血管にカテーテルを挿入して人工血管を患部に留置することで、大動脈破裂を予防する”ステントグラフト留置術”ができるようになりました。 破裂が懸念される瘤部分はステントグラフトにより圧力がかからなくなるため、破裂の危険性が極めて低くなり、さらに次第に小さくなるとこが期待できます。 ステントグラフトによる治療は“より小さな皮膚切開”、“低侵襲な治療を短時間”で行えますので、身体にかかる負担が少ないのが特徴です。

腹部ステントグラフト留置術(EVAR)

留置前


留置後


当院では2016年6月より“ステントグラフト留置術”を行っており、今まで手術が困難であった患者様に対しても安全・安心な治療を提供できるようになりました。 このように大動脈瘤の治療では、瘤のある部位や形態、また身体状態などを考慮した上で“外科手術”と“ステントグラフト留置術”の利点と問題点についてチームで十分に検討し、 患者様に納得できる治療法を施行しております。

胸部ステントグラフト留置術(TEVAR)

留置前


留置後


<オーダーメイド・ステント>

当院では、大動脈の「弓部」という部分に置くステントは、その方の血管走行をCTで細かく構築された画像を元に、正に「手作り」しております。 そうです、オーダーメイド・スーツと同じ考え方です。 血管の走行や大切な枝と枝との間隔、角度、大きさなど百人百様なので、画一化された市販のステントでは不具合が生じるのは当然です。 スーツなら肩が多少きつくても「我慢して着ようか」で済ますことも可能ですが、大動脈瘤にはそういう訳にはいきません。 ピタっと合わなければ、血液が「漏れる」ことになり、瘤に血液が入り込んでいるまま、つまりは瘤をつぶしたことにならないのです。 これが、弓部およびその近傍の瘤に関しては、患者一人一人に合ったオーダーメイド・ステントでなければならないという理由なのです。 当院は、この点を大切に考え、一人一人の画像解析を綿密に行って臨んでおります。

<第一人者が製作、執刀>

オーダーメイド・ステントは、ステント界の第一人者である東(あずま)、横井の2名が製作、執刀を行います。当初より市販のステントの不備な点に不信、 不満を抱き、「血管は一人一人違うもの」という自明の事実に向き合い、日々改良を加えながら今日の形態に辿りついたのです。 勿論、より良いものを求め、今も進化の途中ではございますが…。

<ステントや開胸、開腹手術が不可能と言われた方へ>

胸部は開胸手術に比べ、ステント治療の比率が低く、開胸手術が治療の中心に置かれがちなのが現状です。 一般的には「開胸手術が困難な方にステントが薦められる」のですが、当院では「その方に最適な治療はどちらか?」を重視して選択をしております。 胸や腹に大動脈瘤があり治療が必要だけれど、「ステントも手術も不可能」と言われたが、何とかならないかと思っている。 「手術はできるがステントはできない」と言われ、ステントのことがどうにも諦められない。 という方は、一度ご連絡下さい。再度調べた上で最善策を考えましょう。いい策が得られるかもしれません。

心臓血管外科宛メール: otaka.cvs@gmail.com

診療・治療実績










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スタッフ紹介

市原 哲也(Ichihara Tetsuya)

職位:心臓血管外科部長

~プロフィール~

学歴: 愛媛大学 S60年卒
専門: 大血管、開心術 等、心臓外科全般
市原医師インタビュー「クリンタル」

~略歴~
東京女子医科大学心臓血管外科、湘南鎌倉総合病院、千葉西総合病院、イムス葛飾ハートセンター


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井上 武彦(Inoue Takehiko)


~プロフィール~

学歴: 奈良県立医科大学 H5年卒
資格: 日本外科学会専門医

~略歴~
亀田総合病院、湘南鎌倉総合病院、庄内余目病院、茅ケ崎徳洲会病院、大和徳洲会病院、徳田病院、 大隈鹿屋病院、葉山ハートセンター、千葉西総合病院、イムス葛飾ハートセンター、大森赤十字病院


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増山 慎二(Masuyama Shinji)


~プロフィール~

学歴: 宮崎医科大学 H9年卒
資格: 日本外科学会専門医、日本心臓外科専門医
アジア胸部心臓血管外科学会 国際会員(ASCVTS)
ヨーロッパ胸部心臓外科学会 国際会員(EACTS)
日本心臓血管外科学会 国際会員(JSCVS)

~略歴~
飯塚病院、京都大学医学部附属病院、松江赤十字病院、倉敷中央病院、Chieti大学附属病院(伊)、 三菱京都病院、武田病院、川崎大動脈センター、高の原中央病院かんさんハートセンター


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東 隆(Azuma Takashi)

学歴: 浜松医科大学 H10年卒
所属: 東京女子医科大学
心臓病センター 心臓血管外科
資格: 日本外科学会専門医
日本心臓血管外科学会専門医
日本循環器学会専門医
胸部・腹部ステントグラフト指導医

~経歴~
東京医大低侵襲治療センター、チューリッヒ医科大学でステントグラフト治療を行い、 H20年に胸部ステントグラフトのプロクターとして帰国後、全国で年間200例以上の治療に携わる。 現在は心臓血管外科血管内治療チームのチーフ及び、TAVIハートチーム外科代表。


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横井 良彦(Yokoi Yoshihiko)

学歴: 東京医科大学 H3年卒
所属: 東京女子医科大学
心臓病センター 心臓血管外科
新潟大学非常勤講師兼任

~経歴~
H8年より東京医科大学にてステントグラフト研究に携わり唯一の国産ステントグラフトであるNajutaの開発を主導するとともに、 全国100カ所以上の基幹病院にて手技指導を行ってきた。H24年より東京女子医大に本拠地を移し、完全オーダーメイドのステントグラフトの完成を目指して、 臨床、研究開発を行っている。


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