医療コラム

大動脈コラム Vol.10「大動脈瘤の恐ろしさ 改めて実感!」

大動脈瘤があると言われている方、知人・家族の大動脈瘤のことが心配な方へ

心臓血管外科 部長 市原 哲也

以前にも、大動脈瘤の恐ろしさについてはお話しいたしましたが、今回、そのことを改めて認識させられるようなできごとがございましたので、 ご報告申し上げます。何かの役にお立て下さい。

患者さんは60代の男性、昨年暮れの健診でかなり大きなお腹の大動脈瘤が指摘され、正月明けに詳しく検査して、その際に手術の予定を組みましょう、ということになり、 正月を無事にお過ごしになりました。正月が明けて予定通り、CTを撮ったところ、径65-70mmの瘤でしたので、今度は予定を組みましょうとなり、 その日は検査だけでお帰りになりました。 その1週間後の早朝、朝食中に突然、腰から背中にかけての激痛が襲い、意識を失いました。 家族が救急車を要請し、救急隊到着時には意識は戻っており、近くの大きな病院へ運ばれました。 そこで、CTが撮られて瘤の破裂とわかり、私どものところへ緊急手術目的で運ばれ、すぐに手術が行われました。幸にも元気に退院なさいました。

健診で瘤が指摘されてから破裂まで、21日間でした。恐ろしいことです。全く運のよろしい方です。 お腹なら50mm、胸なら55mmを超えると破裂の危険率が急に高くなります。まして、この方のように65-70mmの瘤は、破れやすいのです。 大きくなればなるほど、破れやすいのです。風船と同じですね。

お伝えしたいことは、瘤は破れなければ何の症状もございませんが、瘤があれば確実に命を奪う方向へスイッチが入っております。 破裂を防ぐには、調べるしかないのです。多くの場合は知らずにいて、ある時突然、腰や背中、胸などを激痛が襲い、時に気を失います。 そのまま帰らぬ人となることすらございます。この方は実に運がよろしい。
また、そろそろ手術の予定をと言う矢先に破れてしまうということもございます。 この方がそうですね。大きい瘤の場合には、早めに手術を頼むことが身のためです。 え?頼めないですって?そんな方は、私どもにご連絡下さい。

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心臓血管外科 部長 市原 哲也


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