大動脈コラム Vol.14「よくいただくご質問にお答えします ~その2~」掲載日:2021年9月15日

■大動脈瘤があると言われている方、知人・家族の大動脈瘤のことが心配な方へ

心臓血管外科 部長 市原 哲也

よく頂く質問 その2です。

(1) A型急性解離と診断されて、手術しないで安静にしてるだけだけど、それでいいの?

答え:A型急性解離には2種類ございまして、新たにできた血の通り道(偽腔ですね)の血が、
①ジャアジャア流れているもの(開存型)
②血が固まっているもの(血栓閉鎖型)
に分けられます。
①は緊急手術が必要ですが、②には、緊急手術しない方がいいタイプがあるのです。大動脈の直径と偽腔の厚さなどが決め手で、 それについては割愛しますが、この基準で緊急手術しないで血圧管理と絶対安静が適切と判断される場合があるのです。


(2) A型急性解離で緊急手術を受け退院した。こんなことになるなんて、私は世界一不幸でしょ?

答え: とんでもない!世界一の幸せ者です!病気に見舞われたのは、心外とお思いでしょうが、緊急手術で助かったというのは、とても幸運なことです。 A型急性解離に見舞われて、病院にたどり着く人は全体の30%です。さらに、1時間ごとに死亡率は上がって行き、病気に見舞われてから24時間以内に、およそ90%の方が亡くなるのです。 救急車などで病院にたどり着いて、緊急手術となり、助かった方は60-70%ですから、A型急性解離に見舞われて助かる率は30×0.6=18~20%、つまり5人に1人です。これのどこが不幸なのでしょう? 中には、30代、40代、50代という若さで亡くなる方もおり、生まれたばかりのお子さん、または中学生、高校生のお子さんを残して亡くなるのです。さぞ無念でしょう。 土石流や津波であっと言う間に帰らぬ人となることすらあります。何はともあれ、助けられたのです。不幸なはずはありません。 無念にも亡くなられた方々の分まで、一所懸命に生きて下さい。楽しいことも悲しいこともあるでしょう。生きていてこそ味わえるのです。あの時死んでいれば良かったのに、とおっしゃる方もいらっしゃりますが、あなたの他には残念ながら亡くなった方々がとても多くいらっしゃるのです。計算によると、亡くなった方々の方が圧倒的に多いのです。今一度、助けられたことを噛み締めて下さい。 それはそれは多くの関係者の力が添えられて助けられたのです。
不幸だなどと、勘違いなさらないようにお願い申し上げます。

今回はここまでといたしましょう。続きはまたお話申し上げます。

家族や知人の大動脈瘤や、急性解離のことが心配だという方、遠慮なくご連絡ください。


心臓血管外科 部長 市原 哲也

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