大動脈コラム Vol.8「大動脈瘤で病院にかかっていながら破裂する」
心臓血管外科 部長 市原 哲也
今回は、警鐘を鳴らすためのメッセージです。
当科での大動脈瘤破裂に対する緊急手術は、年間 胸部で約10人、腹部で約20人ですが、そのうちおよそ1/4の方は、大動脈瘤で病院あるいは医院にかかっていた、 という事実があります。いかがお思いになりますか?緊急手術で助かればいいのですが、残念な結果に終わる方も多々あり、何ともやり場のない気持ちに苛まれるものです。 他の病院から緊急手術依頼を受け救急搬送され、先方や家族の話しから、「大動脈瘤は診てもらっていました」という話を聞くと、 余計に『何とか助けなければ』と普段より力が入ります。 以下は、当院に実際に救急搬送された実例です。
そこで、私どもがいつも声を大にして申し上げていることは、
この2点です。
これをお読みいただいているのは一般の方々でしょうから、1.に該当します。
大動脈瘤があると分かっている方はもちろんですが、
というような方々は要注意です。脅すようなことを申し上げて恐縮なのですが、大動脈瘤があると分かっていながら破裂で緊急手術となる、 更には残念な結果に終わるというような悲劇は何としても避けたいと、日頃から強く思って診療にあたっております。
私どもは、
この2つを使命と心得、診療に従事しております。
心当たりのある方、また、家族や知人にそういう方があれば、ぜひご連絡下さい。
【心臓血管外科へのご相談】
心臓血管外科 部長 市原 哲也