講師:おおたかの森病院 循環器内科 川崎 志郎 医師
心臓は内部に電気信号を流して、決まった順序で興奮し、心臓の筋肉を収縮させています。この流れを『刺激伝導系』といい、正常な場合は一方向で電気信号が伝わります。不整脈は、この電気信号が途中で止まってしまったり、近道したり、別の場所から異常な電気信号が発生した場合に起こります。
1.期外収縮(脈が飛ぶ)…原因として最も頻度が高く、動悸や脈が飛ぶような感じがする。
◇症状:胸がドキドキする感じ・息切れ等
2.徐脈性(脈が遅くなる)…目安は1分間に脈が50回以下
◇症状:失神・めまい等
3.頻脈性(脈が速くなる)…目安は安静時、1分間に脈が100回以上
◇症状:動悸・失神等
★不整脈を治療せずにいると・・・
・全身に血液がスムーズに送れない
・心臓の拍動が異常になる頻度や期間が長くなる
などの理由から、脳梗塞・心不全・心房細動などの重大な心臓病につながる可能性があります!
心房の拍数が不規則に速くなり、脈もバラバラになります。年齢が上がるにつれて発生率が高くなり、 今後も増え続けると予測されています。心房細動が怖いのは、血液が心房の中で固まりやすく血栓ができやすい状態になり 、脳の血管を詰まらせ脳梗塞を引き起こす(心原性脳塞栓症)ことで、心原性脳塞栓症の原因の3/4は心房細動です。 梗塞のサイズが大きいため死亡率が高く(2割)、歩行に介助を要したり、寝たきりなどの重い後遺症が残る場合も多く (4割)、認知症との関連も取りざたされています。
★カテーテルアブレーションとは?
カテーテルを用いて不整脈を引き起こす原因となっている異常な電気興奮の発生箇所に焼灼を行って、正常なリズムを取り戻す方法です。
~治療の流れ~
※入院期間は4~7日程度で、ほとんどの頻脈性不整脈を治療することができます。
心房細動の成功率は60~95%と幅があります。
普段から自己検脈をして脈拍の間隔が規則的かどうか確かめましょう!
危険な不整脈かどうか…早期発見、循環器内科の受診が大切です
~自己検脈のしかた~
片側の手首を外側に回して少し手の平を返す。
手首を少し上げて、しわを確認する。