講師:おおたかの森病院 消化器・肝臓内科 医長 安達 哲史 医師
胃内視鏡検査(胃カメラ)は、胃粘膜の色調や表面の模様などを詳細に観察することができるため、早期の段階で胃がんを発見することが可能です。
胸やけや胃もたれなど上部消化管症状がある場合は、保険診療で受けられますが、症状がない場合、人間ドックなど全額自己負担で受けるしかありませんでした。
柏市では、2018年6月から50歳以上に対する胃カメラによる胃内視鏡検診が始まり、検査方法の選択肢が広がりました。
日本のがん検診は、市町村などの住民健診に代表される『対策型検診』と人間ドックなどの『任意型検診』があります。
対策型検診である胃がん検診は、全体の死亡率を下げることを目的とした公的なサービスで、実施は2年に1回です。個人の死亡リスクを下げることが目的の任意型検診とは違って、ひとりひとりの受診者の胃がんを早期に発見することが目的ではないのです。そこで重要なのは、「自分は、どれくらいの頻度でどの検査をうけたらいいのか」を知ることです。
(逆流性食道炎)
(食道裂孔ヘルニア)
上記の他、表層性胃炎・胃底腺ポリープ・過形成ポリープは2年に1回の検査が推奨されます。萎縮性胃炎は1年に1回の検査が推奨されます。その他、ピロリ菌感染症・胃潰瘍・十二指腸潰瘍・胃腺腫・胃粘膜下腫瘍は外来受診が必要です。
食道癌・胃癌・十二指腸癌・膵癌・乳頭部癌(ピロリ菌陽性胃粘膜から発生した早期胃癌)
★粘膜内癌は内視鏡的に切除することが可能です。
内視鏡を用いて、高周波メスで粘膜を切開し、粘膜下層を剥離することで癌を切除する技術です。
★内視鏡で切除可能な段階で胃癌を発見したい場合やピロリ菌感染の既往がある場合は、1年に1回の内視鏡検査が推奨されます。早期癌の段階で胃癌を発見したい場合、2年に1回の内視鏡検査が推奨されます。