一般的に“脱腸”といわれていますが、正式な病名は鼠径ヘルニアといいます。
椎間板ヘルニアもよく耳にする病名ですが、ヘルニアとは「飛び出る」という意味で、鼠径部が飛び出ることから、鼠径ヘルニアといわれています。
この表は、年齢・性別による鼠径ヘルニア手術の件数をグラフにしたものです。
まず、10歳未満の小児で多く見られ、その後男性は20代から徐々に増え、70~80歳代がピークになります。
年齢を重ね、お腹の筋肉が落ちてくるとお腹の壁で一番弱い部分の鼠径部に負担がかかり、腹膜ごと腸が飛び出してきます。それが鼠径ヘルニアです。
初期の症状は、鼠径部の違和感・痛みです。進行すると鼠径部の膨らみといった症状が出てきます。
ヘルニア内に腸が嵌りこみ(嵌頓/かんとん)、腸が腐ってしまったりヘルニア内に腸が出たり戻ったりを繰り返すうちに、腸に傷がついて穴が開くことを「穿孔性腹膜炎」といい、大変危険です。
また、大腸ヘルニアは嵌頓すると戻らないことが多く、緊急手術になることが多いので、どちらも早い段階での治療をお薦めします。
治療は医療用のメッシュを用い、弱くなった腹壁の補強です。
当院では、腹腔鏡下手術も行っています。
※単項式腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術(TAPP法)